「トスは乱れても打てる」という発想の転換が必要だ

“トスの呪縛”から解放されよう!トスにこだわって核心を見逃すな

 トスの話に戻りましょう。戸田さんのトスは約4メートル上げており、それが2メートルくらいに落下した時点で、肩を中心とし、腕とラケットの長さを合わせた約1メートルの回転運動の一辺で捕らえると言えます。
 このトスのボールと回転運動のタイミングを合わせる難しさは、肩を中心とする水車を想定した場合、指定した番号の水桶でボールをキャッチするようなものです。4メートルも上げたボールを入れるのはとても難しいはずです。つまり、少しのトスの違いも、4メートル上空では大きな違いになるからです。しかも、スピードを増して2メートルも落下して来るボールにタイミングを合わせなければなりません。
 このようなトスの問題は、どうすれば解決することができるでしょうか。私は、このような人には、「トスは乱れてもサービスはできる」という発想の転換を指導し、トスの呪縛から解き放ってあげるようにしています。実際、プロでも常に同じトスを上げているわけではありません。状況によって変えており、全体の動きを調整してサービスを打っているのです。


ビデオには戸田さんがトスを失敗する場面が数多くありました。
しかし、問題の核心は上げ方だけでなく別の所にもあったのです

トスのボールと回転運動のタイミングを合わせる難しさは、
肩を中心とする水車を想定した場合、指定した番号の水桶
でボールをキャッチするようなものです

 

 コートを歩きながらスナップを使ってボールをたくさん投げてみる


横向きになり、左手はトスを上げるときのように上方に
ボールを持つ右手は肩の高さにして投げます

 戸田さんには、ボールを投げる動作を復習してもらいましょう。
 サービスと同じように横向きになり、左手はトスを上げるときのように上方に、そしてボールを持つ右手は肩の高さに保ち、ボールを投げて下さい。投げ終わったときは、右手が上になり、左手はサービスの終了時と同じように、身体の前方に納めます。手首を柔らかく保って、スナップを使えば自由に投げられることを実感してほしいのです。左手やポケットにボールを8個持って、左の写真のようにコートの端の@からGに向かって歩きながら、順次ボールをサービスエリアを狙って投げます。そして、再びボールを8個持って、Gから@に向かって後ずさりしながら8個投げて下さい。16個全部が入るようになったら、今度は@はイン(サービスエリアに入れること)→Aはネット→Bはオーバー→Cはイン→Dはイン→Eはネット→Fはオーバー→Gはインと狙って投げ、再び後ずさりしながら、同じように投げて@に戻って下さい。

 

   
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