肩を中心とする腕とラケットの回転運動が原因だ

 戸田さんはスクール歴が長いので、何度となくトスの問題を、インストラクターに相談してきたことと思います。
 戸田さんのビデオを見ると、ボールを手ではなく指先で支えるとか、ボールを肩の高さで離すとか、トスについて教えられている点は忠実に守っていることがよくわかります。
 逆に、トスをうまく上げることに神経が行き過ぎているという印象も受けます。もう一度、戸田さんの写真を見て下さい。トスを高く上げるタイプのプレーヤーなので、その代表的な選手としてグラフと比べてみましょう。
 どの点が一番異なるでしょうか。それは、グラフはラケットでボールと捕らえる一点に、すべての動作を集約しているのに対し、戸田さんは肩を中心とする回転運動の一辺でボールを捕らえようとしている点です。
 写真3をご覧下さい。戸田さんのヒジは、フォワードスイングに移る前に、すでに伸び切っており、腕とラケットが一直線となっています。そして、肩を中心とする回転運動となり(写真4)、写真5でボールを捕らえています。ボールを捕らえるまではヒジが伸び切ってはおらず、ラケットと腕は少し角度を保って一直線とはなっていないグラフとは大きな違いです。グラフには、このような遊びがあるからこそ、ボールを捕らえる最後の段階で微調整が効き、一点にエネルギーを集中することができるのです。

トスの高いグラフのサービス

戸田さんのようにトスを高く上げるプロはいます。グラフはその代表的な選手です。しかし、グラフはラケットでボールを捕らえる一点に、すべての動作を集約しているのに対し、戸田さんは肩を中心とする回転運動の一辺でボールを捕らえようとしています

腕とラケットが一直線のスイングではボールを捕らえるのは困難だ
フォワードスイングが開始する前に腕とラケットが一直線になっている戸田さんのフォームでは、肩を中心とする回転運動となってしまい、正確な打点で捕らえるのは難しいのです

 


   
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