細かいフットワークとオープンなラケット面が成功の鍵だ

 では、小坂さんの悩みの根本的な原因は何にあるのでしょうか。それは、ずばりボールを捕らえる時のラケット面にあります。ラケットは、手首より下にあり、しかもコートに垂直な、いわゆるフラットな面になっているからです。この面でボレーするには、グリップを相当強く握ってラケットを固定しないと、ボールの勢いに押されてしまいます。小坂さんがなんとかボレーできているのは、持ち前の握力の強さのおかげですが、これは、ちょうど壁にボールをぶっつけた時と同じ状況にあると言うことができます。強いボールはネットを越えて返っていきますが、緩いボールや低いボールはネットしてしまうことになり、ボレーが成功するか否かは、来たボールの強さによるというわけです。
 コーチのバックハンドボレーの写真と、じっくり比較して下さい。どこが一番違うでしょうか。それは、先に指摘したラケット面とフットワークです。コーチは、細かいフットワークとオープンなラケット面でボレーしているのに対し、小坂さんは写真3の時点で大きく右足を踏み出して体重移動を始め、フラットなラケット面でボレーしているのです。言い換えると、小坂さんのボレースイングは、バックハンド・ストロークと同じなのだとも言えます。ですから、ラケットの移動の幅が大きくなり、コーチのようなラケット面を保つことができないのです。このようなプレーヤーは女性に多いのですが、私は、いつもフットワークから矯正することにしています。
 さっそく、ドリルに取りかかりましょう。

 

基本のフォアハンドボレー

小坂さんのようにフラットなラケット面で打つと緩いボールや低いボールの処理で致命的なミスを犯します

 
基本のバックハンドボレー 

バックにしろフォアにしろ、コーチがオープンなラケット面でボレーしていることに注意して下さい

 


   
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