左手はラケットを支える他に      
      面作りとバックスイングの役割がある    

 平山さんの最初の写真である待機の姿勢では、左手でラケットのネック部を支え、リラックスしていて、トッププロと遜色ありません。そして、フォームもダイナミックでよくまとまって見えます。
 しかし、我々プロの目から見ると、一目で平山さんの悩みの根本原因がわかるとともに、それを矯正すると、平山さんのプレーが画期的に向上すると確信を持って言えます。もう一度、詳しく平山さんの写真と下の杉山選手の写真を比較して、私が何を指摘したいと思っているのか予想してみて下さい。
 どこが一番違うでしょうか。それは、左手の使い方です。平山さんの左手は、待機している写真でラケットを支えているだけに使われているのに対して、トッププロの左手は、ラケットを支えるのはもちろん、ラケット面の作り方やバックスイングをとるのに使われています。言い換えれば、左手のフォアハンドの感覚で、バックスイングがなされているのが大きな違いなのです。つまり、平山さんの左手は未開発で、プレーに十分参加してはいないのです。
 平山さんは、すべて右手1本で行なうために、微調整ができず、これがレシーブやボレーで、とっさの面作りに支障をきたし、結果的にミスを起こしやすくしているのです。
 それでは、さっそく左手の開発にとりかかりましょう。

 

下の写真は杉山愛プロのストロークです。左手に注目して下さい。
ラケットを支える役割の他に、面作りやバックスイングで積極的に使われていることがわかります。

右手1本だけでラケット面を変えるのは辛い!

 以前、左手をまったく使わないプレーヤーのことを「ゴリラプレーヤー」と書いたことがありますが、平山さんの左手は、ラケットを支える役目は果しているので、このゴリラプレーヤーよりはましですが、待機の姿勢以後の写真を見ると明らかなように、ラケットの面作りにも、バックスイングにもまったく参加していません。
 皆さんも、ラケット面を変えるのに右手1本で行なうのと、左手でネット部を持って変えるのと、どちらが容易かの実験をしてみて下さい。グリップを持っている右手で変えるより、ネック部を持って左手で変える方が、はるかに容易であることがわかるはずです。

 


   
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