STEP 1

ゲーム感覚のドリルで粗いステップを矯正する

 井上さんのような粗い(失礼!)ステップの人に、細い足さばきをマスターしてもらうのに、きわめて有効なドリルを紹介しましょう。
 まず、クレーコートやオムニコートにブラシをかけて、足跡が残るように整備します。
 次に、下の人物のように、両つま先を揃えて、つま先立ちになり、できるだけ細いステップを使って、図1に示すように、コートのサービスエリアを埋めて行くのです。サービスエリアAは前後に、サービスエリアBは左右につま先で動いて、全空間を埋めるまでステップを行なってください。
 最初のうちは、1つのエリアを埋めるのに、途中で休まないとできないはずです。終わったら、要した時間と足跡をよく観察してください。前や右は真っ直ぐだが、後ろに下がる時と左は曲がるというふうに、自分の特徴がよくわかることでしょう。最初はすき間だらけだし、太モモにとても疲れを感じるはずです。しかし、毎日続けると、1か月くらいで魚の鱗のように整然として、すき間のないステップ後が残せるようになります。少しづつでけっこうです。練習前後に根気良く続けてください。継続は力なりと言うではありませんか。

キミは魚の鱗のように整然とステップを残せるか?
両つま先を揃えて、つま先立ちとなり、サービスエリア内をできるだけ細いステップで埋めていく。慣れてくれば、魚の鱗のように整然としたすき間のないステップ後が残せるはず

 

 STEP 2

プロが行なう微調整のためのステップをマスターする

 プロが実際にボールを打つ前に、シューズの「キュッキュッキュッ」という音をよく耳にすると思います。これは微調整のためのステップです。
 さて、そのプロの代表的なステップと井上さんのステップを模式的に表したのが右の図です。まず、プロのステップで素振りをし、スムーズにできるようになったら、実際に球出ししてもらって、ボールを打ってください。最初はオーバーに、飛び上がるくらいに行なうと体重の移動を実感できるはずです。井上さんは元来、飛び上がって打つタイプではないので、必ずしも飛び上がる必要はありませんが、フィニッシュで、右足のカカトが完全に上がり、つま先立ちになっているかどうかを絶えずチェックして、このステップを自分のものにしてください。
最初は飛び上がるくらいに行なうと体重移動が実感できる
左が井上さんのステップ。右かプロのステップ。最初はプロのステップで素振りをし、スムーズにできるようになったら、実際に球出ししてもら。右足のカカトが完全に上がり、つま先立ちになっているかどうかを絶えずチェックして欲しい

 

 STEP 3

ラケットを早く振り抜くために1分間40回の素振りをする

 次は、ラケットを早く振り抜く練習です。
 写真1のレディポジションの状態から、トップスピン打法(下から上へインサイドアウトに振り抜く)の素振りを、1分間に何回できるかを試してください。毎日この練習を続けると、3週間も経つと見違えるようにスピードが増し、きっと驚かれることでしょう。目安は1分間に最低40回。頑張ってください。これくらいのスピードで振れるようになれば、実際のボールを打っても、振り切ってもアウトしないトップスピンが打てるようになっているはずです。この時点で、再びビデオを送ってください。次のメニューを出しましょう。
振り切ってもアウトしないトップスピンを打つ
下から上へインサイドアウトに振り抜く素振りを早く行なうドリル。最低1分間に40回はこなしたい。そうすれば、振り切ってもアウトしないトップスピンを打つことができます。
 構えから振り抜くことに注意してください。

ドクターからひとこと

トップスピンをアウトする人はスタンスとスイングを要チェック

 今回は、ストロークで振り切ってもアウトしないフォームを教えて欲しいということでした。
 井上さんの悩みを解決する鍵は、広すぎるスタンスを直すことと、下から上へインサイドにスイングするスピードを高めることにありました。もし皆さんの中に、トップスピンのストロークを打っているけれど、アウトする回数が多いとお悩みなら、ぜひ以下の2点をチェックして欲しいと思います。

1.スタンスが肩幅までの広さかどうか。
2.スイングスピードが速いか遅いか。 

 矯正法として、ドリル1はスタンスを広くとりすぎるクセを直すにはとても有効な方法です。練習前後に1か月くらい続けると、悪いクセがなくなります。
 並行してドリル2を行なうと、プロがよく使う微調整のためのステップもモノにできるでしょう。
 ドリル3はスイングスピードを高めるのが目的で、ボールにトップスピンをかけているけれど、アウトする人にはうってつけのドリルです。
 ドリルを続れば上達の手応えを感じるはずです。

 


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