振り切れない原因は広いスタンスと微調整のステップがないからだ


 振り切れない 悩みは、4番目の指摘のように、大きいテイクバックに比べて、フォワードスイングが小さい点によく表れています。
 何が原因で起こるのでしょうか。その最大の原因は、右足から左足へ完全に体重移動が移り切らない点にあります。プロは身体が空中に浮くほど、右足で踏み切っていますが、井上さんは踏み切ることができていません。それは、2番目の指摘のように、スタンスが広すぎるからです。これが根本的な原因なのです。井上さんのスタンス(写真7と8)は、肩幅よりうんと広くなっていますが、プロは、この間にステップを細く踏んで微調整をするため、ボールを捕らえる時のスタンスは、せいぜい肩幅まで。井上さんは、重心を低くとるため、スタンスを広くして腰を低く落としています。これが実は災いとなり、細いステップが踏めず、ボールにラケットを合わせるのに上体だけでしか調節ができず、インパクト(写真8)の時に、腕が伸び切ってしまう結果になるのです。
 ボールにトップスピンをかけるには、写真5〜6のフォワードスイングのスピードが大切で、下から上に速く振れば振るほどスピンはかかるのです。しかし、井上さんの写真8のように腕が伸び切ってしまっては、ラケットを速く振ることは不可能です。上体の回転スピードでしか振れず、しかも、下から上への振り幅が小さいため、トップスピンが思うようにかかりません。

「振り切ってもアウトしないフォーム」とは「トップスピンのよくかかるフォーム」のことだ
井上さんの「振り切ってもアウトしないフォーム」という相談は、言い換えれば、「トップスピンのよくかかるフォーム」ということになります。そして、その答は、フォワードスイングで下から上に大きく、速いスピードでラケットを振り抜く必要があるということです。井上さんに、それができていないことを、はっきり自覚できたと思います。そして、根本的な原因は、広すぎるスタンスと、微調整のステップがない点にあることも指摘しました。トップスピン打法は理解されているので、フットワークとスイングスピードの向上に取り組みましょう。

  

   
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