相手チームを観察して次の対処を考えるゲームプランを持とう

 椎津さんのチームは、自分たちのプレーのことだけに注意が向かっており、質問も自分たちのポーチの方向やポジションについてのものが主です。
 しかし、実際の試合でのポーチは、お互いのポジションにより決まるもので、教科書通りのプレーで決まるものではありません。試合中は、自分たちのプレーより、むしろ相手チームのプレーを観察し、ポーチする方向を決めるのです。相手チームを観察すれば、次にどのように対処しようかと考えるようになります。これが、ゲームプランを持ってプレーするようになる原点なのです。ご質問のポーチですが、パートナーにポーチさせるには、サービスが重要です。けれども、椎津さん(A)もBさんもサービスのコースを打ち分ける意図があまり見られないばかりか、入れるのが精一杯です。しかも、セカンドサービスでは狙い打ちされていますね。椎津さんの2回目のサービスに当たる第8ゲーム目は、22ポイントに及ぶ長いゲームで印象に残っていると思いますので、その分析をしてみましょう。その結果が表3です。
 ご自分の印象に比べて、どうですか?
 ファーストサービスをバックに入れれば、ポイントを取れる割合がうんと上昇することがお分かりいただけると思います。パートナーにポーチさせるためには、少なくとも、相手に狙い打ちされないだけのサービスが必須ですが、椎津さんのサービスは真ん中に入ることが多く、コースが打ち分けられていません。左利きサービスの特長を生かせば、ポーチの機会も自然に増すので、まずサービスの打ち分けを練習しましょう。

相手チームのプレーを観察してポーチする方向う決めるプロ



プロは必ず相手チームを観察してゲームプランをたてます。ポーチの例で言えば、相手の動きを見て出ることを決めているのです。

 

 

 

トスが上がった瞬間、つま先で軽くジャンプしている。

ファーストサービスを相手のバック側に入れる基本的な戦略の効果を証明したデータ

 テニスの基本戦略でよく聞くのが「ファーストサービスを相手のバック側に入れる」戦略です。わかりきっていると思って軽視している人も多いのですが、今回の試合のデータで改めてこの戦略が効果的だということがわかります。読者の皆さんも積極的にこの戦略を取り入れて下さい。展開が有利になることを実感しますよ。

ポイント総数
22
セカンドサービス
   9回
ファーストサービス
   13回
対戦相手が
バックハンドでリターン
4回
対戦相手が
フォアハンドでリターン
9回
狙い打ち多し
ポイントを取った割合
9回中4回
ポイントを取った割合
4回中3回
ポイントを取った割合
9回中5回

44%

75%

55%

  
前ページ  次ページ