高いボールはフラットで決め、低いボールはアプローチで前進する

 運動神経が抜群の彼女は足腰もしっかりしており、速い動きで重心を低くして打っています。また、打ち終わった直後の身体のバランスもさすがです。
 しかし、実際に打つボールはネットすることが多く、また、彼女が短いボールの処理に悩んでいるのはなぜでしょうか。
 それは、短いボールに対して、フラットで打つのか、アンダースピンで打つのかの仕分けが十分でなく、低いバウンドのやっと届いたボールもフラットで打つことが多いからです。短いボールというと、サービスラインより前方にバウンドしたボールを指しますが、短いボールにも、高くバウンドするボールと低くバウンドするボールがあるわけで、トッププロは、この2種類のボールに対して、よほど余裕がなければ無理しますが、一般的には、高いボールはフラットで1発を決め、低いボールに対しては、アンダースピンやアプローチショットを打ってネットに詰め、ボレーで決めようとします。
 ですから、実戦レベルのプレーヤーである菅原さんに対しては、図に示すようにボールに届いた時、ボールの高さにより、「ネットより高ければフラットを打って一発を決めに行き、低ければアンダースピンを打ってネットに詰める」ようにアドバイスしたいと思います。菅原さんは、グリップチェンジしてフラットやアンダースピンを打つ技術をお持ちですので、それぞれのショットを確実にする矯正法を出したいと思います。


トッププロはボールの“仕分け”を実行する
短いボールにも、高くバウンドするボールと低くバウンドするボール
があります。トッププロは、この2種類のボールに対して、一般的には
高いボールはフラットで1発を決め、低いボールに対してはアンダースピンや
アプローチショットを打ってネットに詰め、ボレーで決めようとします


平衡感覚がテニスに生きている見事なショット
菅原さんは、やっと届いた低いボールを両手打ちで打っていますが、
バランス(写真9)が非凡で、スノーボードで鍛えた平衡感覚がテニスで
生きていることを実感します。中には写真10〜13が示すように、
咄嗟に片手のバックハンドで綺麗に切り返す場面もあり、感心します


短いボールに対して強打するアガシ
先の全仏で初優勝を飾ったアガシは短く高いボールに対し迷うことなく強打していました

 


   
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