金野さんのフォアハンドのショットが、相手に決められることが多いのはなぜでしょうか。
それは、偽装が不十分で、相手にボールを読まれてしまっているからです。金野さんの代表的なフォアハンド(写真1〜4)とロブを上げた時の写真(写真5〜8)をご覧下さい。構えから、横向きになる時点までは両者に差がなく、相手はパッシングショットが来るのかロブが来るのかは予測不可能です。
しかし、それ以後をよく見比べて下さい。パッシングショットの場合には、スクエアに立って、ボールを捕らえて振り抜いています。ところが、ロブの場合には、腰を落としてラケットを背後で引き、ヒザをうんと折って、ボールを捕らえて打っています。皆さんが対戦相手だったら、最初の1、2球は抜かれても、これほど異なっていると、パッシングかロブかを読むことができるようになってしまうことでしょう。
そして、金野さんの場合、パッシングにおいても、クロスとダウンザラインを身体の向きを変えて打ち分けるため、身体の向きでコースがわかってしまうという欠点が見られます。
このように、実際の試合では、球筋やコースをわからないように偽装することがとても重要なのです。トッププロのフォームを見ると、この点がよくわかると思います。
それでは、さっそく金野さんの矯正に取りかかりましょう。
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