STEP3  低い弾道で、止まりやすいボールを打ってみよう

 いよいよドロップショットの仕上げです。矯正法2と同じ位置に立ち、反対側のコートのサービスライン付近から、パートナーに球出ししてもらい、そのボールをドロップショットしてみましょう。
 そもそもドロップショットはブレーキがかり、ベースラインにいる相手が前進しても届かないショットになる必要があります。
 そこで、サービスエリア内に入れるように打ったボールが、このエリアを越えるまでに3回バウンドするか、エリア内に止まってしまうボールを打って欲しいのです。
 しかし、ネット上を高く山なりで越えたのでは、エリア内で止まるとしても、高くバウンドするので相手は間に合ってしまいます。ですから審判台の高さ、またはネットの2倍の高さ以下でネットを越えるボールにして下さい。
 このルールで、フォアのドロップショットが10回連続して成功するまで練習し、それができたら次はバックで、やはり連続10回成功するまで行なうようにして下さい。
 これができるようになった頃には、実際のプレーで相手の打ったチャンスボールを、深く打ち込むと見せておいて、ドロップショットを決める快感を実感でき、テニスが一層楽しいものになっていることと思います。

ベースラインとサービスラインの中間の位置に立ち、反対側コートのサービスエリアを狙ってドロップショットする。この時、ボールが反対側のサービスエリアを越えるまでに3回バウンドするか、止まるように、ボールにブレーキをかけて打つ。ただし山なりに打つのではなく、審判台の高さ、またはネットの2倍の高さ以下でネットを越えるぐらいの弾道で打つこと。フォアができたら次はバックで。(フォア、バックとも連続10回)

 

 

ドロップショットは、タッチの感覚を学ぶテクニックとして最適

 ドロップショットに関して、「羽毛のタッチで打つ」とか、「グリップを緩めて、ラケットを軽く持って打つ」と教わった人も多いことと思います。
 しかし、その一方で日本では、ドロップショットを軽視する傾向も見受けられます。ストロークやボレーなどは最初から教えるのですが、残念ながらドロップショットに対しては「汚い手だ」とか、「年寄りのテクニックだ」とか見なす風潮があり、とかく軽視されがちなのです。
「外国人と比べて、日本人はドロップショットが下手」と言われるのも、あるいはそういう風潮が影響してのことなのかもしれません。
 ですが、ドロップショットは立派なテクニックのひとつです。妙な先入観は捨てて、積極的に取り組んでみて下さい。ドロップショットを覚えれば、ショットの幅が広がり、ボレーが上達するといった効果も望めます。

 

 


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