では、どうすれは、岡松さんのサービスに切れとスピードを加えることができるでしょうか。 この問題を考える前に、スピードはどんなメカニズムで生まれるのか考えてみましょう。 サービスは、野球のピッチングと同じ動作です。ピッチャーが速い直球を投げる動作を思い浮かべて下さい。ピッチャーは、岡松さんのようにジャンプして投げるでしょうか。いえ、そんなことはしませんね。前に踏み出した左の軸足が決まると、体重を右足から左足に一気に移動させるだけでジャンプはしていません。 この後方から前方への体重の移動と手の振りのスピードがボールのスピードを生み出しているのであり、ジャンプが生み出すのではないことを理解して欲しいのです。岡松さんの一番の問題は、ジャンプしてサービスするとスピードが出ると勘違いしている点にあるのです。 では、ジャンプはまったく無駄なことでしょうか。打点を高くすることにはなるものの、スピードアップにはつながっていないのが岡松さんのジャンプなのです。 ジャンプをスピードアップにつなげるには、前方への体重移動が起こるようにジャンプする必要があるのです。バレーのドライブサーブやハンドボールのジャンピングスローの時のジャンプやプロのサービスと、岡松さんのジャンプを比較していただくと、私の言っていることがよく理解できると思います。 |
前方への体重移動が起こるようにジャンプしているプロ サービスは野球のピッチングと同じ動作です。後方から前方への体重移動と手の振りのスピードがボールのスピードを生み出しているのです。とは言っても、ジャンプすることが無意味ではありません。前方への体重移動が起こるようにジャンプすればよいのです。 |
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トスが高過ぎると落下スピードが バレーやハンドボールでは、ジャンプした地点からうんと前方に着地しているのに、岡松さんの場合には、ジャンプする地点(写真5)と着地点(写真8)がほとんど同じであることが一目瞭然です。岡松さんのサービスにスピードが乗らない、もうひとつの原因は、前にも指摘したようにトスが高過ぎる点にあります。トスされたボールは、最高点からどんどん加速して落下してきます。この落下スピードを増したボールを、ジャンプして捕らえるのはとても難しいのです。
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