STEP1  ネット際から高いボールを打ってフォロースルーを改善しよう

 最初のドリルはフォロースルーを改善するドリルです。ネットの間近に待機し、友人にネットの反対側でネット際に、ネットより高く弾むボールを出してもらいます(審判台の上に上がって落とすのも良いでしょう)。そして、そのボールを打ってください。ラケットや身体が、一瞬ネットに触れても気にしないで打ち、ボールがバックフェンスに直接当たるように打ってください。  最初は、なかなかフェンスまで届かないことでしょう。打つ時に、声を出して(息を吐かないと声が出ないので、息を吐くことになります)打ってみてください。徐々にラケットが振り抜けて、ボールがフェンスに届くようになり、きっと驚かれることでしょう。ネットが前にあるため、フォロースルーは前方高く取らざるを得ないため、自然にフォロースルーが改善されるのです。
 フェンスに10回連続で当たるようになるまで行なってください。

前方に高くフォロースルーをとる習慣を身につける

ネットより高く弾むボールをネット際からバックフェンスに向けて打つドリルです。ラケットや身体がネットに触っても気にしないようにしてください。徐々にラケットが振り抜けてフォロースルーが大きく取れるようになります。
フェンスに10回連続当たるのが目標

 

STEP@ 声を出して打つことでグリップを握るリズムをつかもう

 ラケットをしっかり握るリズムをつかむドリルです。ベースライン上に立ち、反対側のコートから友人またはコーチに球出しをしてもらって、打ってください。この時、球出しのボールがバウンドする瞬間に「バウンド!」と言い、ラケットでボールを捕らえる瞬間に「ヒット!」と言って打ってください。ボールがバウンドする時を基点にリズムを取れば、ボールを捕らえる時にラケットをしっかり握るリズムが容易につかめることがおわかりになるでしょう。
球出しのボールを連続20回、コートに入れることができるまで練習してください。

打つ時にラケットをしっかり握るリズムが容易につかめる

球出しのボールがバウンドする瞬間に「バウンド!」と言い、ラケットでボールを捕らえる瞬間に「ヒット!」と言って打ちます。ボールを捕らえる時にラケットをしっかり握れるリズムをつかむことができます。球出しのボールを連続20回コートに入れるのが目標

 

STEP3 「バウンド!」「ヒット!」と言いながらラリーをする

 今度は、友人とラリーをしますが、ドリル2と同様に、2人とも、「バウンド!」「ヒット!」と声を出しながら打ってください。お互いに「1」、「2」と数えて連続20回(10往復)続くまで練習してください。ここまでできたら、またビデオを送ってください。 次の新しいメニューを出したいと思います。
ドクターからひとこと!
生きたボールに素早く反応できる3つのポイント

 今回クリニックした浅川さんの悩みは、フォアハンドストロークが安定しないことにありました。
 これは、スクールでは素晴らしいショットを打つのに、実際のラリーでは上手くいかないという スクール症候群 にかかっている良い例です。つまり、実際の“生きたボール”に対して素早く反応できず、腕が縮こまってフォロースルーが取れていないのです。その結果、ラケット面が安定せず、ボールの方向や威力がバラバラになってしまうというわけです(浅川さんの場合はラケット面がオープンになっていました)。
 この悩みを解決する鍵は、ボールを捕らえる時にタイミングを合わせて、ラケットをしっかり握ることにあります。このことを理解してもらうために、前のページに示した実験をやっていただきました。
 もし皆さんが、浅川さんと同じように生きたボールに対して素早く反応できないとすれば、練習でするべきことは3つです。
 ひとつめは、前方に高くフォロースルーを取る習慣を身につけることです(ステップ1)。
 2つめは、ボールを捕らえる時にラケットをしっかり握ること(ステップ2)。
  最後は、仕上げとして、「バウンド!」「ヒット!」と声を出しながらラリーを行なうことです。

 


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