なぜ浅川さんの腕は縮こまって、フォロースルーが取れないのでしょうか。 これは、フ ォーム重視のスクールで教わった人に共通に見られる現象で、日本人には多い症状です。 テニススクールでは、決まったところに一定のリズムで出されるボールを打つのに慣れた人が、実際にラリーをすると、来るボールの方向やスピードがバラバラで、上手く対応できないためです。 「テニスはリズムのスポーツだ」とよく言われます。ラケットでボールを捕らえる時にタイミングを合わせて、ラケットをしっかり握らないと、自分の意図するようなボールは打てません。私は、いつも生徒に下のイラストにあるようなデモを行なって、その大切を実感してもらうようにしています。つまり、ボールを捕らえる時に、ラケットをしっかり握ることが、テニスでは基本的にとても大切なのです。 浅川さんの問題点は、ボールを捕らえるリズムがつかめず、息を止めて打つため、筋肉が硬直してしまい、ラケットを振り抜けない点になるのです。リズムの取り方と息を吐いて打つことを覚えれば、容易に問題は解決します。 |
あなたはラケットをしっかり握っていますか?
まず、ラケットをコート上に置き、ラケットの真上の一定の高さ(肩や腰の高さ)からボールを落とし、ラケット上でバウンドするボールを観察してもらいます。ラケットの真ん中に当たると、真っ直ぐ上にバウンドしますが、中心をはずれて当たると、ラケットが動き、真っ直ぐ上にバウンドせず、高さも低いことがわかるはずです。今度は、ラケットのグリップのところを足で強く押さえて踏み、先ほどと同じ高さでボールを落としてみてください。真っ直ぐ上にバウンドして来るホールの高さはどうですか。先ほどよりうんと高くバウンドすること、そして、少々中心をはずれても、先ほどのようにバラバラにはならないことがおわかりいただけると思います。 |