テニス・レイティングでもっとゆつたりテ二スを楽しむ
どんなテニス・プレーヤーでも優勝の可能性のある
テニス・レイティング・システムとそれを支える松枝橿氏
テニス・レイティングでもっとテニスと親しむ
いまやすっかり誰でも参加できるスポーツとして、定着した観のあるテニス。
中高年のサラリーマンも、健康のためにテニス・クラブに通ったり、会社の同僚と家族ぐるみのファミリー・テニスに興じたりと、.テニスをするということが、ごく当たり前の風景になってきた。そんなテニス状況の中でいま、注目を集めているのが、テニス・レイティングというシステムである。
テニスを始めて、ある程度の事を覚えると、どうしても実際の試合がしたくなる。そんな時に、実力の違いすぎる相手と試合をするはめになったら、どうなるか?せっかくそれまで培った自信とやる気を失い、最悪はテニスに対する興味すら、なくしかねない。だから、テニス・レイティング・システムなのである。
テニス・レイティングとは、言ってみれば、ゴルフの公認ハンデのようなもので、個人の実力を測定するモノサシなのである。スポーツの場合、実力に差がありすぎる試合ほど、やっていてつまらな
いものはない。だからと言って、練習だけしていれば、うまくなっていくというものでもない。おなじ実力のプレーヤー同志が簡単に試合ができるようにならないか?という発想からテニス・レイティングは生まれた。
テニスに賭ける情熱は人一倍の松枝氏
このテニス・レイティングを日本に紹介し、普及活動に取り組んできたのが、松枝橿氏である。松枝氏は世界で一番権威のある米国プロテニス協会のライセンスを日本人で最初に取得し、仕事のかたわら、日本のテニス状況の向上に全力をそそいできた。松枝氏のテニスに賭ける夢は2つ。インターナショナル・プレーヤーを育成するということと、アマチュアでももっとテニスを楽しめる状況をつくり出すということだ。「僕は、中学校で軟式を少しやってから硬式をやり始めたんです。大学の時もやってましたが、あくまで趣味という感じでした。もちろん試合には出ましたよ。僕のテニスというのは、パワーで押していくテニスではなく、どっちかというと、相手を観察して分析し、どうしたら勝てるかでやっていくテニスで、まあ、昔からコーチ的な立場でした」そして、就職。ここで、松枝氏はテニスの指針を決定する人達と出会った。「会社にデ杯の監督や名選手がいたんです。彼らに出会ってゲームのノウハウやトップ・プロとアマチュアのテニスの違いを教えられ、急激にテニスにのめり込みました」その会社で35才まで現役でプレーし、その後、ピークが過ぎたと判断した松枝氏は人ができない部分でテニスのトップになろうと決意。日本のテニスに足りないティーチング・システムの充実をはかるため、39歳の時、米国プロテニス協会のライセンスを取る。日本風にアレンジした世界のティーチング・メソッドの実践の場として桜田倶楽部の設立に参画した。
テニス・レイティングに出会つて
そうして、12年前、松枝氏はテニス・レイティングというシステムに、客員教授で訪れたアメリカで出会う。
「同レベルの実力の人と試合ができるということは、誰にでも試合で優勝する可能性があるということです。レイティングは決められた実技テストで判定しますから、受ける方も判定する方も主観がはいりません。非常に公平です。個人のレイティング・チャートはテニスのカルテのようなもので、指導するレイト・クリニシャンはその人のホーム・ドクターのようなものですね」
実力がついてくればレイト・クリニシャンが評価し、レイティングを上げてくれる。しかも、ウィーク・ポイントの矯正などもしてくれる。「レイティングの一番のポイントは、知らない人同志でもレイトが同じであれば、すぐに試合ができるというところです。レイトは世界共通ですから、たとえば外国に行った時でも、現地のテニス・クラブでレイティング・力ードを見せるだけで、外人ともテニスがプレイできるんです。そろそろ、日本人もそういったテニスの楽しみ方をしてもいい頃だと思いますよ」
レイトを獲得するには
ビギナーでもそれなりの試合を満喫できるテニス・レイティングのレイトを取得するには、レイティングを導入しているスクールに入る、レイト・クリニシャンのプライベート・レッスンを受けるなど、6つの方法がある。レイトは1から7.0までの13段階あり、7種のプレーをスコアにより診断する。
松枝氏の言うように、このシステムなら、テニスをもっと純粋におもしろがることができる。そして、その満足感によって、より充実した人生を楽しむことも可能になってくる。
(構成・文小田代千晶)
リラックス1989年8月1日号より
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