第11章

高校および中学選手権

1.高校選手権について

「現在,自分は高校生ですが,都県の高校大会に出場するにはどうしたらよいでしょう?」という質問を時々受けます。
そこで,高校大会について述べる前に高体連−正確には高等学校体育連盟−という組織について説明します。
各都県には,高校のスポーツのクラブ活動を統轄する団体,つまり学校体育をお世話する団体として高体連があります。その中に20以上の専門部がありますが,テニスについてのお世話をしている専門部が都県の高体連テニス部です。各高校のテニス部(または同好会)は,その校内でクラブ活動をしている唯一つの団体として校長先生の承認の下に都県高体連テニス部に加盟し,それが主催する大会に参加することになるわけです。
したがって,現在在学している高校にテニス部があって,それが都県の高体連テニス部に加盟している場合には,テニス部に入ることによって高校大会に参加できるわけです。そしてそれは,顧問の先生の引率なり,指導の下に行われるのが普通です。
したがって,個人の資格で高校大会に参加することはごく特別な場合でないと認められないと考えてよいでしょう。ですから,現在在学している学校にテニス部がない場合には,熱心な仲間と共に学校側に,テニス部の設置をみとめてくださるようお願いするのがベストです。しかし,いったんスタートしたからには,自分たちだけ参加できればよいということでなく,年ごとに充実した団体に育っていくような努力も必要でしょう。
次に都県で実施されている高校大会について述べてみましょう。都県により多少異なりますが,
4月〜6月に都県高校(選手権)大会,個人,団体が実施されます。その結果,上位者は6月中旬の関東高校大会(男女とも団体16,個人S32,D16)8月上旬の全国高校大会(インターハイ)(男女とも団体48,個人S128,D64)に出場し,広い舞台で技を競うことになります。インターハイでの優勝こそ高校のテニスプレイヤーの夢でありましょう。また,高校大会では団体戦が重要視されているのも学校体育としてすべての競技が捉えられているからなのです。
さらに8月以降に
      都県高校新人大会
12月下旬には
以上が高校生大会の概要ですが,関東テニス協会が実施しているポイント制の上では高校大会での成績は加算されないことになっています。したがって,コンピュータランキングを得るためには,関東テニス協会の公認するトーナメントに出場して実績を上げることが必要です。しかし,全日本ジュニア,関東ジュニアへの出場者の選考の折には,単純にポイントに依らず,インターハイ,関東高校大会の実績が正確に評価されることになっていることも付記しておきます。

2.中学選手権について
1)はじめに

中学生の皆さんには10章で記された「12歳,14歳,16歳」に区分される公認ジュニアトーナメントが用意されていますが,これとは別に「中学生だけの」大会があります。主催団体は都県中学校連盟,県テニス協会,関東テニス協会,関東中学校テニス連盟などです。

2)手続き

校所在地の都県中学校連盟に加盟登録してください。学校の部として加盟するのが原則ですが,学校に部がない場合でも個人で加盟する方法がありますから,毎年4月になったらすぐに必要な手続きをとってください。念のために,1,2月中に問い合せておくとよいでしょう。あなたの学校が栃木県にある場合のみ,県のテニス協会が直接扱ってくれます。
学校のテニスは組織づくりの途中ですので,都県によってその取り扱いが違うこともありますから,あらかじめ都県中学校連盟(関東ジュニア・テニス・トーナメントスケジュール参照)に問い合せてください。

3)個人戦について

なたの学校所在地の都県大会に出場することができます。ダブルスにおいては同じ学校の人と組んでください。おもな大会は表2のとおりです。

4)学校対抗戦(団体戦)について

学校のチームが対戦するものです。これに出場するためには学校長が正式に認めた校内団体であるテニス部でなければなりません。したがって,まだ学校に部がないときには同好の仲間に呼びかけて,学校
表2 中学選手権大会一覧表
全国中学生大会 (8月)(個人戦・団体戦) 日本協会主催
関東中学生大会 (7月〜8月)
関東中学生大会 (11月)(個人戦・団体戦) 関東中学校連盟主催 (個人戦) 関東中学校連盟主催

都 県 中 学 生 大 会

東 神 千 埼 群 茨 山 栃
 奈
京 川 葉 玉 馬 城 梨 木

△ 〇 △ 〇 △ 〇 △ 〇 △ 〇 △ 〇 △ 〇 △

都 都 都 県 県 県 県 県 県 県 県 県 県 県 県 県 県 県
中 新 新 中 中 中 中 中 中 中 中 中 中 中 中 中 中 中
学 人 人 学 学 学 学 学 学 学 学 学 学 学 学 学 学 学
大 大 大 大 新 大 新 大 新 大 大 新 大 新 大 新 生 新
会 会 会 会 人 会 人 会 人 会 会 人 会 人 会 人 個 人
個 個 団 個 大 個 大 個 大 個 個 大 個 大 個 大 人 大
人 人 体 人 会 人 会 人 会 人 人 会 人 会 人 会 戦 会
戦 戦 戦 戦 個 戦 個 戦 個 戦 戦 個 戦 個 戦 個 個
・ 人 ・ 人 ・ 人 ・ 人 ・ 人 ・ 人 人 人
団 団 戦 団 戦 団 戦 団 戦 団 戦 戦 戦
体 体 体 体 体 体
戦 戦 戦 戦 戦 戦

※ ○印の大会が関東中学生大会の予選大会です。
※ △印の大会が関東中学生新人大会の予選大会です。

1993年1月現在に部をつくってもらうよう働きかけてみてください。援助が必要であれば各都県の責任者か関東中学校テニス連盟(関東ジュニア・テニス・トーナメントスケジュール参照)に連絡をとってください。皆さんのためにお手伝いをしてくれるでしょう。
この対抗戦は3シングルス,2ダブルスで行われるもので,シングルス,ダブルスの両方に出ることはできません。1チーム最低7人の選手が必要です。おもな大会は表2の通りです。

5)おもな大会について

イ)都県中学生テニス選手権大会
この大会は関東テニス協会内の全都県において行われます。都県によって時期や日程が少し違いますが,例年4月になってから行われています。これは関東中学生選手権大会の予選大会として推薦選手を選考する最も重要な資料になりますから,関東,全国を目標とする皆さんは出場しなければなりません。個人戦と学校対抗戦(団体戦)があります。
ロ)関東中学生テニス選手権大会
この大会はイ)の都県中学生大会に出場し,上位の成績を残した選手が都県中学校連盟(栃木県はテニス協会)の推薦を受けて出場するものです。関東地域の中学生にとっては大きな目標となる大会です。ここでよい成績を残した選手は全国中学生大会に出場することができます。個人戦(シングルス・ダブルス)と学校対抗戦(団体戦)とがあります。
ハ)関東中学生新人テニス選手権大会
この大会は中学校1,2年生で,各都県で行われる新人戦で上位の成績を残した人がおもに推薦されて出場できるもので,個人戦(シングルス,ダブルス)だけです。
ニ)その他の大会について
イ),ロ),ハ)の他にも表1に示された大会があります。

6)「12歳,14歳,16歳」に区分される

公認ジュニアトーナメントとの関係
中学生大会と「12歳,14歳,16歳」に区分されるジュニアトーナメントはいずれも関東テニス協会内のトーナメントですから,中学生大会の成績は,公認のジュニアトーナメントの選手選考,シード決定のための資料として生かされることになっています。

7)ランキング作成のための個人番号登録は

中学生大会でも行うのだろうか
ランキング作成のための個人番号登録(コンピュータによるデータ処理)については,「12歳,14歳,16歳,18歳」に区分される公認ジュニアトーナメントだけを対象とするものです。したがって中学生大会だけに出場する人は,ここでいわれる個人番号登録をしなくてもよいことになっています。

8)おわりに

関東地域の中学生大会も年々整備され充実してきました。やがては全都県に中学校連盟が組織され,皆さんのためのさらによい企画が出てくるものと思われます。情報に注意して出場もれのないようにしてください。
なお,中学生大会における選手の所属はすべて「学校名だけ」がプログラムに記されることになっています。